巨大な柱シャボテンの株元には
乾燥した植物の枯草がある。
この枯草も木材腐朽菌によって(年に何回か降る雨に湿度で)、
分解され、不毛の地に見える大地に・・・・木材腐朽菌による
炭素循環が構築される。
このシステムが無ければ、地表に露出した種子は、
発芽し生長することはできない。
特異な形態のシャボテンも、枯れ葉、木材腐朽菌、炭素循環という
方向から考察すると・・・当たり前の普通の植物である。
ラン科植物から見ると・・・単純である。

ペレポストが分解して腐植化したところに這った根。
一般の植物の根とほとんど変わらない。
「根毛」まである!
地面にぺレポストを撒いたところに、茎が垂れ下がり、
発根した状態。
ランと同じ灌水下で・・・ね腐れなど起きない。
毎日夕方灌水。
茎の先端が樹肌に触れるとそこから根を出し、
そこを起点として新たな株立ちを作る。
這いだす・・・。
 

ペレポストで元気に生育。
交配種なので系統分離を現して・・・
ひも状、三角稜の葉まで現れてきた。

この生育状況は・・・普通の植物と大差はない。
相当分解し、腐植化が進んだ状態でも・・・
光沢があり、喜んで生きている!
水も・・・ランと同じ。
夏は毎日夕方灌水・・・。
棘が出てきた
ペレポスト熟成したものに播種して発芽
発芽した当初は・・・普通の子葉・・・双葉。
シャボテン種子も
多くの雑草の種子と同じく、好赤色光発芽である。
覆土すると発芽しない。

覆土しなくとも自生地で発芽するということは、
発芽できる湿度が・・・あるということ!

 そういうことを考えると・・・ランより・・・簡単!
クジャクシャボテンの種子
シャボテンの自生地は、水条件では非常に過酷ではあるが、死の世界ではない。
一木一草が生えない・・・ゴビ砂漠、サハラ砂漠のような環境条件ではない。
上の写真に見られるように、種の数は少ないが・・・同じエリアには砂漠植物が自生している!
他の葉のある植物が自生しているということは「枯れ落ち葉」「植物死骸」があるということである!
自生お昼夜の気温の差は大きい。
夜間には夜霧が発生する。
シャボテンの棘の間隔は・・・霧が棘に付着し水滴になった時の・・・表面張力を利用したもの。
水滴が落下しない・・・間隙である。
シャボテンの生きるために水獲得には必至なのである。
伊達や酔狂で「棘」を具備しているのではない。

この夜霧の水分が、地表の枯れ葉、地面を濡らすということは・・・・
木材腐朽菌が生息繁殖できるということである。
枯れ落ち葉、地下の世界は・・・地上部より・・・豊かな生命が息づいている世界である。
木材腐朽菌が勝ち組の世界である。
しかし、シャボテンに関する図鑑、本のほとんどは「植物分類」か「愛好」からのものがほとんどで、
自生地における枯れ葉、植物死骸・・・木材腐朽菌による・・・・地球の陸上における炭素循環についてのものはない。

シャボテンも植物である!
植物栽培の基本、根本は根である。
シャボテン栽培の基本は「土」である。
しかし・・・1960年代の土は「砂」であった。(日本では)
砂栽培を普及させた名人は「津田先生」??・・・のようである。
しかし、この砂栽培は・・・ランにおける「水ゴケ」栽培と同じように、自生地の土壌環境とは大きく異なるものである。
職人技の名人芸である。
作れるということと・・・・植物が喜んでいる生きている・・・ということとは異なるからである。
泣き泣き生きているのを・・・だましだまし生きさせているようなものだからである。
現在使われている「シャボテン土」というのはどういうものなのか?
「赤玉土」「鹿沼土」「硬質鹿沼土」。
シャボテン栽培でも・・・ラン栽培と同じ発想の「排水性」「保水性」「通気性」「PH」・・・・。
森林シャボテン、シャコバシャボテンでは「ピートモスミックス」。
砂から・・・ここまでがシャボテン界の用土の進歩である。
更に、自生地が「石灰岩」地帯のものには・・・・用土の「石灰岩」をミックス。
この発想も・・・・クリスマスローズが石灰岩地帯に自生するから・・・石灰岩ミックス用土と同じ。
ラン栽培でも・・・石灰岩に自生しているパフィオには石灰岩ミックス。
そしてPHの問題。
アルカリ土壌に自生しているものは・・・アルカリに調整。
そういう条件を喜んでいるから、好きだから・・・そういう場所に生息しているとい理論である。
しかし、この理論には枯れ落ち葉に生息する木材腐朽菌のことが欠如している!
自生地の土壌は・・・2億8千年前から生息している木材腐朽菌が主役の世界である。
なぜなら、地殻の変動、大陸移動、気候の変化で・・・シャボテンの現在の自生地も・・・・
以前は鬱蒼とした森林、ジャングルであった地も多い。
ということは・・・その時代におびただしい枯れ葉が地表に舞い落ち堆積し、
同時に・・・植物の死骸が堆積していた。
その時代に生きていた木材腐朽菌が・・・現在も・・・わずかな枯れ葉を食べ物として生き続けている子孫が生息している。
つまり、前記したように・・・すべての生物が死に絶えた死の世界がシャボテンの自生地ではない。
だから、シャボテンも花を咲かせ、種子を実らせ・・・・発芽し・・・永年生長し生存できる。
ということは・・・・
石灰岩土壌にも、蛇紋岩土壌にも、酸性土壌にも・・・枯れ落ち葉が堆積したとき、
木材腐朽菌が分解し腐植化する。
木材腐朽菌が分解してできた土壌は「弱酸性」である。
つまり、シャボテンの根が喜んでいるの土壌は・・・石灰岩エリアであっても・・・・
木材腐朽菌が作り上げた弱酸性土壌である。

こういうことは、日本の園芸界に共通した栽培法で、
シャボテン栽培が・・・・少しも変った栽培技術ではない。
つまり・・・・棘があるか、ないか・・・ではなく、シャボテンの根も、他の普通の植物の根も・・・ほとんど変わりないということである。
実際、玉ねぎ畑と同じようにシャボテンを栽培して・・・ビニールトンネル内で出荷を早める栽培もある。
つまり、シャボテンが喜ぶ栽培よりも「標本栽培」という栽培がある。
泣かせて泣かせて・・・棘を美しくする栽培。
考えてみれば、好き好んで棘を美してしているのではない!
泣いている棘を見て・・・人間が美しいと・・・・身勝手に一方的に・・・感じる人間がいる世界が・・・愛好の世界である。
シャボテンだって・・・早く大きくなり・・・花を咲かせたいのである。
シャボテンの自生地に木材腐朽菌による枯れ落ち葉の分解が無ければ・・・
シャボテンの自生地は何万年間の枯れ葉が・・・分厚く堆積する。
そういうことが見られないということは・・・木材腐朽菌が分解している証拠である。
だからこそ、シャボテンは「赤玉」でも、赤玉、鹿沼ミックス用土でも・・・・元気に生育する。
目に見える世界と
目に見えない世界がある。
植物分類学の人は目に見えるものの微細な違いに目が行く・・・。
根はほとんど似ているから・・・見分けができない。
だから・・・分類研究対象から削除。
シャボテン自生地における木材腐朽菌、枯れ落ち葉は・・・シャボテン界の盲点なのではないか?
ランの世界も同じであった!
シャボテンと木材腐朽菌の関係は・・・・
これが宇井 清太の仮説。
この仮説を実証するためにペレポストの熟成した「ペレポスト夢扉」をミックスした用土での「クジャクシャボテン」栽培考察である。


シャボテンの養分吸収
 シャボテンの実は鳥などに食べられる!
 種子は糞と混じり排出される!
なぜシャボテンのは鳥に食べられるようにしたのか??・・
鳥が飛ぶ範囲に種子を拡散させるためである。
そればかりではない・・・・種子と一緒に「糞」が同じ場所に落ちる!
種子が芽生えたときの養分(肥料)が、そこにあるようにする・・・巧妙な親心である。
こういうことから考察すると・・・シャボテンは好き好んで・・・過酷な場所で生きたいを望んでいる植物ではない。
養分は欲しいのである。
実際栽培する上では「牛糞」「腐葉土」「堆肥」でミックス!
つまり自生地ではありえない嫌気性菌で発酵腐敗させたものを使用。
だから・・・根腐れ、切り口から腐れが入る!

根を見てみると・・・・
右の写真のように・・・・一般の植物の根とほとんど同じ。
枯れ落ち葉が分解された腐植のところに根を伸ばし続けている。
クジャクシャボテンでは、葉を幹の這わせ、またはぶら下げて・・・節が腐植に接着すると・・・・節から根を出す・・・。
光を求めて・・・樹上を這い・・・木漏れ日を拾う。
節から根を出さないと・・・組織を保持することはできない。
森林の地面では・・・こうゆうことはできない。
他の植物が・・・地面の争奪戦を行っているからである。
別な見方をすれば・・・イチゴのランナーと同じ意味である。
シャボテンも自生地では・・・一般の植物と同じように枯れ葉を分解する木材腐朽菌とともに生き続けてきた植物である。
そういう視点からシャボテンをを見ると・・・
ペレポストを熟成させたものを10%から50%・・・種によって加減すればよい。
「尿素」の3000倍液を・・・夕方・・・・夜霧が棘の間に宿るように与えればよい。
新しいペレポストではなく「熟成」ペレポストを使用すると・・・
根腐れ、腐れを防止できる。
木材腐朽菌を勝ち組にすれば・・・・腐敗菌は負け組菌となって、
鉢内に生息繁殖できないからである。
PHは・・・弱酸性であれば・・・問題ない!
腐葉土、堆肥、牛糞、鶏糞は使わないことである。
自生地に・・・窒素の多く含んだ「腐葉土」は存在しないからである!
これはシャボテンに限らず、クリスマスローズ、エビネ、クマガイソウ、アツモリソウ、雪割草・・・なども同じである。


やはりシャボテンも植物。根圏の環境は・・・他の植物とほとんど同じ。
雨水が少ないだけである。
オシボリの湿度で腐るような根ではない!

シャコバシャボテン、カニバシャボテンが・・・ピートモスミックスの用土で大量生産されるのは、
一般の草花栽培の技術で作れるからである。
この着生シャボテンが、そういう技術で大量生産可能ということは、
根が・・・他の植物と大きな差異が無いということである。
つまり、ラン科植物ほど・・・巧妙に進化していないということ。


そういうことから考えると・・・・
やはりラン栽培というのは・・・園芸で最も難しい。
ペレポストでランが素晴らしい生育をするのであれば、
他の植物は少し工夫すれば・・・ほとんどの植物が作れるということになる。

マニアの世界でなく・・・産業の世界の植物栽培で、
残っているのは「朝鮮人参」である。
草本植物で同じ場所で何100年も生き続けるのは・・・産業植物では、
ランと朝鮮人参・・であろう。


























1960年代・・・。昭和30年代・・・。
戦後10余年のこの時代は・・・園芸の再興の時代であった。
宇井 清太がラン栽培を始めたのも1960年である。
この時代、園芸に興味を持つ者は・・・・現在のように狭い範囲の植物愛好ではなく・・・
同時に多くの植物に興味を持つて・・・栽培を始めるという流れがあった。
そういう中で・・・宇井 清太も・・・胸躍らせて・・・いろいろ・・・やった。」
その中には「シャボテン」も含まれている。
しかし、シャボテン界には「龍胆寺 雄」という素晴らしい研究家がおり、誠文堂新光社などから次々に本を出版されており、
この世界で生きるのをあきらめた・・・。
戦前の流行作家として一世を風靡した人が・・・シャボテンの研究でも第一人者であった。
宇井 清太が憧れた園芸家のひとりである。
川端康成から筆を折られた・・・ことが・・・・シャボテンで花開いたのか?????
そういうことで・・・ランの世界で生きることを模索し・・・雪の降る山形で一人ラン栽培を始めた。
宇井 清太弱冠23歳である・・・。
そういうことで・・・あれから53年。
ペレポストでのシャボテンの炭素循環考察は・・・宇井 清太にとっては不思議なことではない。
ランがあまりに奥が深く・・・のたうちまわっている間に時間が過ぎただけである。
シャボテンも伊達や酔狂で・・・葉を棘にしたのではない・・・。
過酷な乾燥地帯で生きるには・・・ということで説明がつく。
しかし、シャボテンの中には、中南米、南米の森林に・・・ランのように着生して生きるシャボテンがある。
月下美人は・・・超有名な着生である。
この類のシャボテンを「森林性シャボテン」と呼称しているが????

なぜ・・・・シャボテンなのに「着生」する???
中南米、南米には・・・ランの多くも着生している。
共通点があるはずである。

そういうことで、ペレポストに・・・園芸品種であるが・・・クジャクシャボテンの種子を撒いて・・・
その後に生育を観察してきた。
つまり、このシャボテンの根と枯れ落ち葉と木材腐朽菌の関係である。
着生であれば・・・木肌の裂け目などにある枯れ落ち葉が分解した腐植、コケの死骸の腐植などに、
種子が零れ落ち、そこで発芽し・・・・生長しなければならない。
なぜ地面でなく着生なのだ?
シャボテン界にはその分類学では・・・素晴らしいものがある。
しかし・・・根と枯れ落ち葉と木材腐朽菌の関係を解明したものはほとんどない状態。
 
クジャクシャボテン、森林ヒモシャボテン の炭素循環
 
                       ペレポスト栽培
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